白連物語

 ・・・ 「白連物語」という名で出版された興味深い物語はすでにかなりな注目を集めている。それはいろいろな面で教訓的である。この物語はエジプトの宗教がすでにその清浄さを失い、利己的で不道徳な目的で、破廉恥にも黒魔術によって汚染され、冒涜されてしまったタントラ崇拝の制度に堕しはじめた時のエジプト人の信仰と僧侶団を正確に描写している。おそらくこれは本当の話であろう。センサはエジプト最後の偉大な祭司を表している。丁度、木の葉はたとえ完全に枯れてしまおうと、同じ木となる種子を残すように、どの大宗教も一人かそれ以上の大アデプトの生命とエネルギーとを残すようである。そのアデプトはその宗教の智慧を保持しいつか未来、進化の周期がめぐって、望まれる結果をもたらす改革が行われるようになる時によみがえるように予定されているのである。崇高な古いケムの宗教は定められた時が来ると、もっと高い、もっと高尚な形で、この地球に再び現れるように予定されている。この物語のセンサはおそらく今は大変高いアデプトであって、白蓮の女王の命令を実行するのを待っているのであろう。
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 (1)物語の主人公、センサは人間の魂を表わしている。人間の魂はクタスサ・チャイタニャム即ちプラジナの胚珠であって、それには人間の個性が保持されている。個性は人間の第五本質の中の高級で不変の要素に相応する。それは肉体をもつものの魂であり、真我である。
 (2)庭師のセボーアは直感である。「彼等は私の幽霊をつくることはできない」とセボーアは宣言する。そう言って、この素朴な、正直な田舎者は自分自身の神秘をあらわしている。
 (3)アグマードとカメン・バカと九人の他の高僧達は自分達の崇拝する暗黒の女神の献身的召使であり、夫々次への本質を示している。
 @カマ・・・・・欲望
 Aクロダ・・・・憎悪
 Bロブハ・・・・貧欲
 Cモハ・・・・・無知
 Dマダ・・・・・尊大
 Eマツァルダ・・嫉妬
 (7、6、9、10、11)・・五感とその快楽
 (4)物語の女性登場人物は次の通りである。
 @僧侶達が崇拝する暗い神秘的な女神
 Aセンサと遊んだ幼い少女
 B町でセンサが出会った成人した少女
 C白蓮の女王・・・

  目 次

     はじめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( 5) 
     序幕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( 5) 
     訳者序 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( 6) 
    第一部 魂の下降
     第一章 少年センサの入門 ・・・・・・・・・・・・・( 6) 
     第二章 白蓮の女王 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12) 
     第三章 幼き預言者の誕生 ・・・・・・・・・・・・・(17) 
     第四章 庭師のセボーア ・・・・・・・・・・・・・・・(24) 
     第五章 幽閉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(32) 
     第六章 白蓮の女王との再会 ・・・・・・・・・・・(41) 
     第七章 精霊達の遊び ・・・・・・・・・・・・・・・・・(47) 
     第八章 無意識の行為 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(50) 
     第九章 暗黒の女王の儀式 ・・・・・・・・・・・・・(53) 
     第十章 暗黒の女王との取引 ・・・・・・・・・・・(60) 
     第十一章 白蓮の女王の言葉 ・・・・・・・・・・・(63) 
    第二部 魂の上昇
     第一章 町の酒場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(68) 
     第二章 女王の奴隷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(72) 
     第三章 暗黒の秘祭 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(77) 
     第四章 ハートの目覚め ・・・・・・・・・・・・・・・(78)
     第五章 預言者センサ ・・・・・・・・・・・・・・・・・(82) 
     第六章 至聖所の同胞団 ・・・・・・・・・・・・・・・(84) 
     第七章 寺院の預言者の使命 ・・・・・・・・・・・(91) 
     第八章 三つの真理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(94) 
     第九章 死 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(100) 
     第十章 新しい衣 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(103) 
     解 説 スワミ T・スッバロー ・・・・・・・(107)